相談者は妻のA子さんです。
先日、夫Bが亡くなりました。
子供は、長男C、二男D、長女Eがいます。
長男Cには、子供Gがいます。Gは私(A子)と夫(B)と養子縁組しています。ただ、長男Cは昨年亡くなってしまいました。
法定相続分はどうなるのでしょうか?
孫(亡長女の子)を養子として者が死亡した場合、孫には養子としての相続権と亡母の代襲相続人としての相続権がある。
孫のGは、Bさんと養子縁組していますので、Bさんの子供は、C、D、E、Gの4人ということになります。
相続人は、配偶者と子供ということになりますので、Cさんが生きていれば、Bさんの相続人は、A子さん、C、D、E、Gの5人ということになります。
ただ、Cは、既に亡くなってしまっているので、Cさんの子供であるGが代襲相続人として、Cさんの相続権を継ぐことになります。
(Cが生きていれば)
A 2分の1
C 8分の1
D 8分の1
E 8分の1
G 8分の1
ということになりますが、相談事例では、Cが既に亡くなってしまっているので、上記Cの8分の1もGが代襲して相続権を継ぐことになります。ですから、法定相続分は次の通りとなります。
A 2分の1
D 8分の1
E 8分の1
G 4分の1(8分の1+8分の1)
「長女と婚姻した養子が死亡した場合、その直系卑属がいないときは、妻たる長女は配偶者としての相続権のみを取得し、兄弟姉妹としての相続権を取得しない」という登記先例があります。
どういうことかといいますと、例えば、妻Aがいます。夫のBは、妻Aの両親の養子となっていました。いわゆる婿養子です。
妻には、兄弟姉妹CDEの三人いるとします(妻の両親と養子縁組している夫を含めると兄弟姉妹は四人ということになります)。
そして、夫Bには、子は無く、養親・実親ともに先に亡くなっていて、実親との関係では一人つ子です。
この場合、夫Bの相続人は誰かということですが、
配偶者は常に相続人になりますので、妻のAは相続人です。
そして、子供がいないので、次は、親ということになりますが、親も既に亡くなっています。
ですから、兄弟姉妹が相続人ということになりますので、A、C、D、Eの四人が相続人ということになります。
Aは、配偶者として、そして、兄弟姉妹として登場することになります。
これがいわゆる二重資格の問題です。
登記先例では、妻は配偶者としての相続権のみを取得し、兄弟姉妹としての相続権は取得しないとしていますので、妻Aは配偶者としての相続権のみということになります。
法定相続分は、
A 4分の3
C 12分の1
D 12分の1
E 12分の1
となります。